「Life」セルフライナーノート

アルバム「Life」、発売から１ヶ月たちまして、ご感想ポストに届く感想の数々にこちらが感動しております。
みなさま本当にありがとうございます！

今回セルフプロデュースということで、全体の方針ややりたいこと、おおまかな音のイメージ、などなど周りの方々に相談しながら基本的には自分で決めたわけですが・・・
なるべく聴いてくださる方が日々の暮らしの中で鏡のようにふとのぞきこんで、風穴や光を感じられればいいなというコンセプトで作りました。

こうして皆さんのレスポンスを拝読していると、少なからずそうした思いを汲み取ってくださっていたり、聴き続けてくださるその時々で違う聴こえ方がするという方や、謎解きのようにそっと埋め込んだことを素晴らしい鋭さでキャッチしてくださった方もいらっしゃって、ホッとしたりびっくりしたり、何よりありがたい気持ちでいっぱいです。

次はもっとこんな風にしようとか、先に向けてのいろいろ意欲もわいてきます。

本当はそうした皆さんの感想の方がずっと、本質的な部分でこのアルバムのことを描写してくださってると思うのですが・・・
お一人お一人の聴き方をじゃましない程度に、作り手目線のセルフライナーノートを書いてみたいと思います。聴く前に読みたくない方はスキップしてくださいませm(__)m



1. 美しいものばかりじゃない

浜田省吾さんのツアーコーラスのオーディションのお話をいただいた時、最新のデモを提出しようと思ってその日のうちに新曲を書き上げ、翌日自宅で歌とピアノを録音して送った曲です。浜田さんのツアーに参加させていただいていなかったら、この曲がなかったら、このアルバムは絶対この時期にこんな風に作れていなかったと思います。
自分の行く道がよく見えず、悩むことも多かったあの頃に、先々やってくる体験やこのアルバムの種がすでにあったとしたら・・・。まさにこの歌詞の通りだったなと、今は振り返って思えます。
ブルージーでフリーダムなギターはヤマサキテツヤさん。３年越しのアルバム作りに並走してくださいました。


2. ひとり

ウェットな歌詞の裏側にドライな部分が欲しくて、長田進さんにアコースティックギターを弾いていただきました。長田さんといえばザ・ロック・ギタリスト、エレキのイメージですが、私は繊細に輝きながら、どこか乾いた響きのする長田さんのアコギの大ファンでして・・・。贅沢させていただきましたm(__)m
心の中は寂しいんだけど、この主人公はどこかとても綺麗なところにいるような気がします。


3. 夜想うこと

恋に酔う勢いで空まで飛んでしまう主人公の、ちょっと危ない部分を長田さんの揺れるギターでなぞっていただいています。
スパム春日井さんが打ち込んでくださったリズムが、自転車ならではのスピード感で心地よいです。


4. Lullaby

どんな自分でもいいんだと思えたら、夜はそんなに長くない。
You can be as everything that you are.


5. 風のワルツ

私の中で一番「風」を感じる音が古村敏比古さんのフルートで、もし参加していただけるならこの曲をぜひ、とリクエストさせていただきました。スパム春日井さんの入れてくださったビブラフォンもこの曲の温度感にぴったり。
１０数年前、井の頭公園のベンチに座って遠くの木の影を見ていた時に、生と死をつなぐ力に想いを馳せて書きました。


6. Beside Me

このアルバムの中では一番新しく、去年できた曲です。
人と人が一緒にいるのはどこまでもすれ違いのようで、でも確かに何かが生まれていて。虚しさが勝つ日もあれば、共感が勝つ日もあり・・・やっぱり美しいものばかりじゃないですね。


7. 小さな神殿

小さな頃の母との思い出をモチーフに書きました。
目の前にいる時は照れくさい相手といえば家族です。年々、一緒にいられる時間は限られていることがわかるようになってきたので、そうも言っていられないですが・・・。
この曲を書いてから１０年以上たち、その間にもう二度と会えなくなってしまった友人、親戚、師匠たちがいます。歌うたびに、彼らと過ごした時間もよみがえってくるような、不思議な感じがします。
強いせつなさを伴う曲だからこそ優しい音で包みたくて、たまきあやさんにエセリアルなバイオリンを弾いていただきました。



8. Joy

これも１５年近く前に書いた曲です。メロディと言葉がほとんど同時にするする書けて、気に入ってる曲の一つです。人を愛する喜びには必ず哀しみがついてくるのだと知って、やっとこの曲を理解でき始めたような気がします。

初めて演奏したのは佐野元春さんのバンドのみなさんで行われていたHobo King Sessionのライブで、そこにスパム春日井さんも出演されていたのですが、１５年後レコーディングに参加していただけるとは！
さらにスパムさんとのお仕事でコーラスの大先輩・高尾直樹さんにお会いした時に、「僕一番好きなのはゴスペルなんだよね」と聞いて、それならば・・・と直樹さんにコーラスをお願いしました。さすがの厚み！
直樹さんも長田さんも古村さんもスパムさんも、それぞれに明確にイメージを持って音を乗せて下さり、歌入れのヘッドホン越しにそれが伝わって改めて感動しながら歌いました。


9. 君に会える日

雨の降り止まない日に、アルバム制作のゴールがなかなか見えない日に、遠くへ旅立ってしまった友人を思う日に、何度となくこの曲を歌ってきました。
今は今でやはり待ち焦がれる明日があり、こんな気持ちのまま一生を終えられたらいいですね。

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今思うことをいろいろ書いてみました。
また引き続き感想も、こちらかご感想ポストのコメントで聞かせてください。

こちらは、そろそろレコ発のリハも始まっています。
お会いできるみなさま、楽しみにしていてくださいね！

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